8月13日〜15日分

オンライン書店ビーケーワン:我らが隣人の犯罪我らが隣人の犯罪宮部みゆき(文春文庫)
↑通勤のお供(読了)。
 宮部、初期の短編集ということで、それぞれ、ちょっと物足りない気がするのです。どれも優しくって(笑)、悪意をあまり感じない。ただ、「サボテンの花」だけは悪意がなくていい作品なのですが(事件は起こらないので)。まあ、それはおいといても。なんといっても、解説がいい。北村薫だもの。解説まで含めてものすごいいい作品。好きな作品です。

オンライン書店ビーケーワン:神様ゲーム神様ゲーム』麻耶雄高(講談社ミステリーランド
↑ベッドのお供(読了)。
 さすが麻耶さん。子供相手でも容赦しないのね。…というフレーズをどこかで見たな。みんな同じ感想を持つのね(^^;)。ミステリーとはいっても、謎のすべてが解明されるわけでない、ということはままあることで。しかしながら、謎のままで終わってもOKな謎と、これはきっちり説明してもらわないと!という謎の2種類がありまして。その辺の見極めが旨いんだなあ、麻耶さんって。謎のまま残しておくことで、とても深く麻耶さんの世界に引きずり込まれてしまうのね。子供たちがこの作品で、麻耶さんの世界にどっぷりつかってしまうのが、うらやましい反面、ちょっと怖い気もしたりするのです(笑)。

オンライン書店ビーケーワン:怪しい日本語研究室怪しい日本語研究室』イアン・アーシー(新潮文庫
↑ベッドのお供(読了)。
 今、“変な日本語”ブームだったりしますが、これまその前に出ているもので、しかも、著者が外国人。というと『ダーリンは外国人』のようなものを思い浮かべるかもしれませんが、それともちょっと違う。外から見た日本語なんだけれども、もう著者自身がどっぷり日本にひたっている人なので、どちらかというと、私たち日本人と感覚はよく似ている。ただ、切り口が随分違うのね。そこはやっぱりセンスの違いなんだろうなあ。ふーん、というよりは、「くすくす」といった感じでした。

オンライン書店ビーケーワン:桜さがし桜さがし』柴田よしき(集英社文庫
↑ベッドのお供(読了)。
 連作ミステリー、というよりは、もしかしたら恋愛小説、青春小説、成長物語だと言いきってしまってもよいかと思います。中学の同級生(男女4人)と、現在は推理作家になっている元・顧問の先生。彼らが彼らなりに一生懸命過ごす中で遭遇するのが、また魅力的な謎たちなのです。どれも、解答は出されるのだけれども、その結果は知らされません。それを見ても、やっぱりミステリーではなく、彼らの物語なんだな、と思うのです(^-^)。

オンライン書店ビーケーワン:黒塚黒塚夢枕獏集英社文庫
↑ベッドのお供(読了)。
 言いたいことはたくさんあるんだけれども(笑)、まあいいか。全体的に評価が高いことに驚いていたりするので、私の感想が稀なのでしょう(^^;)。ただ。やっぱり夢枕獏という人は、ものすごく“語り”の上手い人なんだなあ、と。『陰陽師』なんかを読んでいると、その辺とてもよく分かるのですが、こういったホラー(だよね?)でも、雅やかさとか、美しさ、そして切なさまで、淡々とでも、切々と語ってくれるわけですよ。もともと、舞台用に仕上げたものを小説に焼き直した、ということで、その辺はなんとなく読んでいても、舞台っぽさは出てくるのだけれども、逆に舞台が見てみたくなる。まあ、誰が演じるかにもよるのかもしれませんが(笑)。

オンライン書店ビーケーワン:毛糸よさらば毛糸よさらば』ジル・チャーチル創元推理文庫
↑新通勤のお供。
 読み始めました。実は、ドタバタってあんまり得意じゃなかったりするので、もしかしたら私はコージー・ミステリーって読めないタチなのかもしれない…と思っていたこともあったのですが、片目を閉じていれば充分読める、ということに気づきました(笑)。観客の笑い声もきっちり入れてある外国のドラマのような雰囲気なのですが(笑)、でも、事件さえ起きてくれれば、あとはこっちのもん(何)。謎解きはいたって本格なのですよ、このシリーズ。今はまだ、自ら不幸を招いてしまう主人公の性格にやきもきしてる段階なのです(笑)。