「三毛猫ホームズの推理」

 久しぶりの赤川さんです。初期の作品はいいぞ、と他人にはすすめてきましたが、私の方はすっかり内容を忘れてしまってまして(笑)。京都のBOOK OFFで見つけたので、すぐさま読んでみました。

 内容はすっかり忘れてました、ええ。どれも記憶にございません(笑)*1。しかし、面白いことにトリックだけはすぐに分かっちゃったの。それがね、他の作家さんなら同じトリックを使われても絶対分からなかった自信はあるね(どんな自信だよ^^;)。赤川さんだから、こういうトリックを使うに違いない、と。真犯人ですら、分かってしまいましたもの。赤川さんだったら、こうに違いない、と。

 そもそも、私は初期の赤川作品は飽きるほど読んでいるわけです。デビュー作「幽霊列車」に始まる幽霊シリーズをはじめ、三毛猫ホームズやら三姉妹やら大貫警部(四字熟語シリーズ)やらマザコン刑事やら今野夫妻やら杉原爽香やら、それこそノンシリーズもたくさん。しかも手元にある作品は全部2回以上は読んでいるし。好きな作品を挙げると、「マリオネットの罠 (文春文庫)」「死者の学園祭」「ポイズン 毒 POISON (集英社文庫)」「悪魔のような女―懐しの名画ミステリー第2集 (角川文庫 あ 6-8)」「いつか誰かが殺される」「殺人よ、こんにちは (角川文庫 (5712))*2死者は空中を歩く」「死体置場で夕食を」「白い雨 (光文社文庫)」「ひまつぶしの殺人*3ふたり」「魔女たちのたそがれ (角川ホラー文庫)*4幽霊から愛をこめて (コバルト文庫)」と、こんな感じでしょうか。ここに挙げたものは、だいたい内容も覚えてますよ、念のため(笑)。あと、厳密にいうとミステリーじゃないかもしれないけれども、短編集も面白いのです。「一日だけの殺し屋」「駈け落ちは死体とともに (集英社文庫)」「さびしがり屋の死体 (角川文庫 緑 497-6)」「血とバラ―懐しの名画ミステリー (角川文庫)」「真夜中のための組曲」などなど。えーと、ほとんどがノンシリーズです。

 こういった初期の作品を並べてみるとよく分かるのね。意外な結末、意外な犯人、意外な真相、と読者を驚かせるのがうまいこと、うまいこと。どれもたいてい、終いには「まさか!」って言いますよ、ホント。こうやって書いてしまうと、これから読む人に予断を与えるような気がしないでもないですが、でも、多分赤川作品なら大丈夫。想像以上に騙してくれますから。しかも、無理やりこじつけたという感じではなく、素直に「やられた!」と思えます(^-^)。

 赤川作品というと、“ユーモアミステリー”というイメージが強いかもしれませんね。もちろん、ユーモアには溢れているのですが、くすっと笑える程度で、そんなに軽いわけじゃないのです。例えば、大貫警部の四字熟語シリーズのように、むちゃくちゃ軽すぎて読みたくないようなものも中にはありますが(笑)、とくに初期の作品にはシリアスなものがそろってますね。

 全部、もう1回読み直したいと思ったくらい、「三毛猫ホームズの推理」は面白かったです。数えきれないほど読み返した「マリオネットの罠 (文春文庫)」も「死者の学園祭」も、また手元に買い直そうかと思ってます(^-^)。自分的にしばらくブームになるかもね(笑)。

*1:もしかしたら、読んだ気がしているだけで、実際は読んでないかもしれません(笑)。三毛猫ホームズシリーズは確かに、何作か読んでるんですよ。でも「推理」は実家の本棚にないし、図書館で借りて読んだと思い込んでいたのかも。いやでも、角川文庫の表紙の絵はすんごい記憶にあるんだよなあ。

*2:続編「殺人よ、さようなら」あり。

*3:早川家シリーズ。

*4:続編「魔女たちの長い眠り (角川ホラー文庫)」あり。