2月11日〜13日分

 「IN☆POCKET」で特集をしてました。「ぼんくら」「日暮らし」の内容でしたが。でも、同じ時代モノ“人情モノ”ということで、通じる部分があるんですよね。現代モノでは書きにくくなっていることを時代モノで描いていきたい…と。今回は“理不尽さ”ということになるでしょうか。社会に対して理不尽だと思うこと、世の中の仕組みに対して理不尽だと思うこと、そして、身近な人に対して理不尽だと思うこと。そんなことが積もり積もって、とても悲しい物語になってしまったような気がします。でも、ちゃんと最後には救われる。そういうところは、さすが宮部。上手いよね。

  • 「なみだ研究所へようこそ!−サイコセラピスト探偵涙煌子」鯨統一郎祥伝社文庫)←ベッドのお供(読了)。

 鯨さんらしいっちゃあ、らしいんですけど。かなり拍子抜けしますけどねえ(笑)。しかもこれに続編があるというから驚くじゃないですか。今度はプロファイラー(笑)。ええんか、これで。…今ごろ気付いたんですけど、もしかして鯨さん、あまり文章の上手い方ではないですよね?それともわざとなのかなあ。どこまで狙ってるのかが分からないと、とてつもなく不安になるのも鯨作品の特徴でしょう(笑)。

  • 「壺中の天国」倉知淳(角川文庫)←ベッドのお供(読了)。

 私、すごい勘違いをしてたんですよね。これ、猫丸先輩が出てくるものだとばっかり思っていて、いつまでたっても出てこないなあ、なんて思いながら読んでたら、やっぱり出てこなかった(笑)。もしかしたら、「ほうがこ探偵隊」を除くと、倉知さん初めての長編かもしれません。主人公は働くお母さん・知子さんですが、彼女がとてもイキイキしていて、素敵。娘をはじめ、彼女を助ける周りの人たちも、とても魅力的。個人的には、やはり正太郎さんがとても好感持てます。最後の最後で、より好きになる(笑)。物語も、こんなに厚いのに、途中でダレることもなく、最後までずーっと惹きつけたまま。短編の方が得意なのかと思っていたので、驚きました。ただ、“本格”なのかというと、ちょっとだけ疑問。だって○○が…(以下略)。

 洋モノだとは思えない。あっという間に読み終わりました。今度は舞台がリッチモンド。昔のように、とはいかないけれども、少しだけ解剖して、小さな証拠を集めて、関係者に詰め寄って、一つひとつ丁寧に処理していく姿は変わってないよね。そういうケイをたぶん、読者は待っているんだと思う。彼女が事件に巻き込まれるのはしょうがないし、そうじゃないと物語が成り立たないから(笑)、それはいいんだけど、でも、やっかいごとに巻き込まれるのは、読んでいて気分のいいもんじゃない。それはやっぱり同じ“女性”だから、なのかな。でも、ルーシーは相変わらず逞しいよね(笑)。それはそれでうらやましかったりもするけど。

 読み始めました。そろそろ事件の方は片づきそうな感じ。あとは“やっかいごと”がどういう風に片づくか、見もの(笑)。なんとなく予想はついてるんだけどね。