2月2日分

 幻想小説…でもミステリー…。変わり身の早い舞台のような(見たことないですが)、くるくる変わる猫の目のような、女心か秋の空か…というような(何)、テーマというか1本ちゃんと筋はどっしりと通っているんだけれども、読む方は強引に惹きつけられたり、逆に突き飛ばされたり、とても翻弄されながら、でも楽しく読みました。最初から最後まで、作品全体を包むあの雰囲気は、とっつきにくそうなんだけど、まあでも読めるかな、という感じ。あのね。最後が良かったから、作品全体の評価も上がるんだけど、あれ、結末次第では、もう読まなくてもいいかな、と思ってしまいそうな危険を孕んではいますよね。今回はいい方に転んだけど。で。前作「砂漠の薔薇」と対になる作品だそうで、そっちもまた読まなきゃいけないじゃないか(笑)。

 薄めなのでサクっと読めるかな、と思って。仁木兄妹のシリーズは「棘のある樹」を読んでいて、そのすぐ後の作品らしいので、あまり流れを気にせず読めそうです。シリーズは、通して読みたいんですけどねえ、いかんせん手に入らない作家だからなあ。ちなみにコレは105円でゲット。文庫だけど、昭和57年発行の初版本でした。