よくできた世界だと思います。

 お昼に、ガンダムファンだという人とお話しをしてました。私は「ガンダムSEED」しか見ていないので、深く突っ込んだ話はできないのですが、あの世界観を理解できるようになったのは、この年齢になってからです。子供の頃はといえば「ライディーン」や「マジンガーZ」で充分満足してましたから、そんな子供にとって「ガンダム」は難しすぎたんですよね。

 でも今、業界の第一線で活躍している人たちというのは、たぶん私と同世代の人たちで、やっぱり「ガンダム」に影響された人たちが多くいると思うのです。そういった人たちが、アニメはもとより、今のドラマをつくっている、ということを考えるととても興味深いのです。

 「ごくせん」が「熱中時代」に並ぶ“お化け番組”になった、というニュースががありました。ごもっごも。私も「熱中時代」で育ちましたので、あの感動は今も記憶に残ってます。水谷豊が演じる北野広大という熱血先生。妹は確か池上季実子で青空といいましたね。校長先生は、今をときめく船越栄一郎(今は英一郎というのですね)のお父さん・船越英一(よく似た名前だ(笑))がやってました。あのちょっと鼻にかかった優しい声、よく憶えてますとも。「ごくせん」がそういう感動を味わえるドラマだというなら、見てみたい気がしますもの。

 アニメでも同じことがいえますね。例えば、あの「エヴァンゲリオン」を創った人たちも初代「ガンダム」世代です。しかし、「ガンダム」も「エヴァ」もそうなのですが、“世界”ができ過ぎてしまっていて、とっつきにくいというのが難点なのです。

 初めから、キッチリカッキリつくられた“世界”でいきなり物語が始まる。それを理解すると、あのストーリーはとても面白いんですけどね。ずっと見ていくうちに自然とその世界を理解できるようになるわけですが、そこで大きく別れるんです。その世界を理解するまで見ることができた人たちは、どっぷりハマることができるけれども、そこまで到達できずに途中で脱落する人もいる。私は後者でした。いや、普通の子供には難しいって(笑)。

 で。そのギャップを上手く埋めたのが「パトレイバー」だよね。というようなことを、お昼に話していたのですよ(笑)。

 「パトレイバー」というのは、メカに重きを置いているわけではなく、かといって、人間ドラマなだけでもない。宇宙を飛び回っているロボットたちを地上に、私たちが普通に生活しているこの場所にまで引っ張ってきて、地に足をつけた物語に仕上げてあるのです。パトレイバーの“パト”は、パトカーの“パト”と同じです。警察の公用レイバーといったところでしょうか。工業用のレイバーが進化するにしたがって、レイバーによる事件・事故が増えてきたことを受けて、警察でも公用レイバーを導入しよう、というのがそもそもの始まるです。“工業用レイバーの進化”なら、今の携帯の進化よりも簡単に想像が付きますよね(笑)。そういった身近な世界に、ほんのちょっとだけメカを取り込んだ、なんというか“お茶の間ロボットアニメ”とでもいいましょうか。もちろん警察モノですから、犯罪あり、組織あり、大きな陰謀あり、とドラマティックな展開も見せますが、しかしそこにはちゃんと身近で納得できる原因なり理由なりがあるわけです。そして、それぞれのキャラクターがとても魅力的な上に個性的で、そこにも多種多様な人間模様が自然と表れてくる。さらにですね、シリアスな部分とおちゃらけの部分が実にバランスよく配合されていて、いいんですよ、これが。

 ちょっとしたきっかけさえあれば、誰もが楽しめると思うんだけどなあ。

 実は、コミックスは全22巻そろっていたりします(笑)。でも、OVAもそろえたいなあ。ほかにTVアニメ版と新バージョンのOVAに劇場版が3作! おぉ。初期のOVAと劇場版第1作はなーんと、押井守が監督だ。すげー。いやー、見たい。全部DVDでそろわないかなあ。

 や。とりあえず帰ったら、コミックスを読み直します(笑)。