「古書店アゼリアの死体」

 週末はそんなことがあったので(笑)、本を読む時間がなかったのですが、少しだけ。

 若竹さんの長編です。でも…、若竹さんは短編の方がいいなあ(笑)。

 「ヴィラ・マグノリアの殺人 (光文社文庫)」に続く架空の都市・葉崎市のお話。登場人物が少しだけクロスオーバーするんですが、どっちを先に読んでいても問題ないんじゃないでしょうか。このシリーズは“コージー・ミステリー”と言われてるんですけど、私、コージー・ミステリーがどんなものであるのかが、未だに理解できません。というか、この作品をコージーって言ってもいいのかなあ、とか思うわけです。笑いどころもあるけれど、やっぱりシビアだもん。

 ストーリーも二転三転するし、スピード感があるわりには、しっかり読ませてもくれるし。こういう話の転がし方はとても若竹さんらしいと思うのね。最後の方で効いてくるスパイスも絶妙だし。

 でも。短編ほどのキレがない。

 …だから“コージー・ミステリー”なのでしょうかね。