1月6日〜2月4日分

オンライン書店ビーケーワン:ピーター卿の事件簿ピーター卿の事件簿』ドロシー・L・セイヤーズ創元推理文庫
↑通勤のお供(読了)。
 ホームズのライバル、というのがよく分かりました。トリック重視の短編というのは、単純に楽しめます。時代が古ければ古いなりに、面白いものです。逆に、最近この手の作品は少ないんじゃないかな、とか思ったり。現代のこういう作品を読んでみたいな、と思いました。

オンライン書店ビーケーワン:LASTLAST石田衣良講談社文庫)
↑通勤のお供(読了)。
 芥川賞受賞後の作品だそうで、ミステリーではないですね。“LAST”のとおり、もう後がない人たちの物語。連作短編、とありますが、連作ともいいきれない。個人的には「それからどうした」と言いそうになりますが(笑)、でも、怒りがわいてくるわけではない(何)。純粋に石田さんの作品を楽しみたいなら、良い作品だと思います。

オンライン書店ビーケーワン:スタジアム虹の事件簿スタジアム虹の事件簿青井夏海創元推理文庫
↑通勤のお供(読了)。
 青井夏海のデビュー作。当初は、自費で出版されたものだったそうです。もったいない!(笑)。出版社がこれを見逃してきたとは! まあでも、遅ればせながらメジャーデビューしたわけですもんね。やっぱりいい作品はいい、ということです。内容は、安楽椅子探偵ものの連作短編。解説を見ていると、出た当初はいろいろ言われたようですが、そういう人には勝手に言わせればよい(笑)。青井さんの助産婦探偵のシリーズは、ちょっと気になる部分があってあまり好きにはなれなかったのですが、これは大好き! ミステリーとしてはもちろん、文学作品としてだって、充分魅力的ですっ! 血なまぐさいのが苦手な方にもすすめたい上質なミステリーです。

オンライン書店ビーケーワン:心室細動心室細動』結城五郎(文春文庫)
↑通勤のお供(読了)。
 サントリーミステリー大賞受賞作。サスペンス色の濃いミステリーです。賞をとっていないと、手が出なかったかも。最近、サスペンス色の強いものより、純粋なミステリーを好む傾向にあるので(笑)。主人公の後ろ向き加減に途中でうんざりしてきますが(笑)、それだけに余計にラストは面白かったです(酷)。

・『二つの陰画仁木悦子講談社文庫)
↑通勤のお供(読了)。
 ノンシリーズの長編。面白かったです!いたるところに伏線がちりばめられ、見事にヤられます。予測した展開の、さらに上をいかれるので、気持ちいい(笑)。仁木兄妹ものよりも好きかも。

・『幽霊男横溝正史(角川文庫)
↑通勤のお供(読了)。
 金田一耕助のシリーズですが、やっぱり横溝はすごい!次の展開が想像できませんからね。派手な演出は、いやみになるどころか、古きよき時代を思い起こさせ、とてもわくわくさせられます。これは映像化は難しいだろうな(笑)。でも、ぜひ、稲垣五郎版で見たいです(笑)。

オンライン書店ビーケーワン:空想刑事読本空想刑事読本』斉藤直隆(ぶんか社文庫
↑おこたのお供(読了)。
 刑事ドラマを実際に検証してみると、ありえないことばかり(当たり前)。それをまじめに取り上げてくれるので、実際の警察内部のこまでよく分かって、刑事ドラマファンだけではなく、ミステリー好きにも興味深く読めます。詳細な組織図が役に立ちそう(何に?(笑))。

オンライン書店ビーケーワン:北村薫のミステリー館北村薫のミステリー館北村薫編(新潮文庫
↑通勤のお供(読了)。
 古今東西の名品18編を収録。北村薫のセレクトなら、安心して読めますね。宮部みゆきとの対談もあり、お得だし。中でも「盗作の裏側」高橋克彦、「滝」奥泉光は私の収穫。

・『くらやみ砂絵 なめくじ長屋捕物さわぎ都筑道夫光文社文庫
↑通勤のお供(読了)。
 なめくじ長屋シリーズの、たぶん第7弾。順番通りに読めなくて、少し悔しい思いをしてますが、でも、アンソロジーなんかで何作かは読んでいて、それがまとめて読める! という幸せをかみ締めました。北村薫の解説がまた秀逸。これも含めて、超おすすめです。

・『連鎖真保裕一講談社文庫)
↑通勤のお供(読了)。
 第37回江戸川乱歩賞受賞作。ハードボイルドタッチのミステリー。もっと、面白くないものを想像していたのですが(失礼)、私のツボにはまるハードボイルドでした(何)。主人公が、何度打たれてもめげなくて、いつも、何かしら皮肉を言っていて、でも、それが魅力的に見える、というところがとっても好きです。社会的な問題を取り扱っている、というよりも、大きな問題に挑む、何のとりえもない1人の人間、という構成が、私は好きなのかもしれませんね。とっても楽しみました。

・『一・二・三‐死高木彬光(角川文庫)
↑通勤のお供(読了)。
 墨野隴人シリーズだそうで、…隅の老人ってことだよねぇ(笑)。隅の老人は読んだことないんですけど、こちらは、なんというか、何もかもがあやしい(笑)。このシリーズを読んでないからだと思うのですが、墨野の助手・上松はもちろん、私にとっては、墨野すらあやしい(笑)。そんな風に読んでいたので、結末には驚きました! 普通に読んでも驚く結末です。高木彬光もあまり読んでませんが、これから読みたい人ですね。

・『天使の傷痕』西村京太郎(講談社文庫)
↑通勤のお供(読了)。
 乱歩賞受賞作。ずっと読みたかった作品です。十津川ものを書く前の西村さんの作品。ところどころ、その片鱗はうかがえますが(笑)、でも、社会に訴えようとする気持ちがとても伝わる力作ですね。悲しい気持ちで読み終わるところは、十津川に通じる部分があるかも。