「子猫探偵ニックとノラ (光文社文庫)」

 雑誌「ジャーロ」のアンソロジー第2弾なのだそうです。「ジャーロ」という名前は聞いたことはありますが、実物は見たことがありません。もともと、この手の雑誌はあまり手にしたくないんですよね。雑誌で連載を読むより、本になってから読みたい派なので。「IN POCKET」は定期購読してますが、特集以外ほとんど読んでいないのが実状。連載の途中からは読めないし、好きな作家さんの作品は、やっぱり本になってから読みたいんです。…わがままなだけですけど(笑)。

 と、そんな理由で雑誌は読まないので、こういう形になると単純に嬉しいのです。とくにこれは、現在活躍している海外の作家のアンソロジー。ま、面白ければめっけもん、くらいにしか思ってなかったのですが(酷い^^;)、充分楽しく読みました。

 しかーし。これを“今”読んだのはちょっと間違ったかも(^^;)。

 猫が出てくるんですよ、猫が。どこも猫ばっかり。花粉にヤられているだけでなく、読みながら猫にもヤられてしまって、超グロッキー。鼻水を垂らしながら読む、というなんとも情けない読書になってしまいました。

 内容は…うん(^^;)。面白いモノも確かにあった。でも、訳者に因るところも大きいという事実を再認識しつつも、やっぱり日本の作家さんの方がレベルは高いんじゃないかと思いました。まあ、これだけを比べて言うべきことではないけれども。言語の違いを加味したとしても、洋モノでもいいものはいいわけでしょう。ま、何をもってして“いい”と言うかも感性の問題だから、ホント一概にはいえないんだけれども。

 ミステリー的に考えた場合、あっけなくって拍子抜けしたのが多かったんだわ(笑)。“謎解き”にすらなってなくって、サスペンスとして楽しむにも、ちょっと何かが足りなかったり。ま、基本的に“猫を楽しむミステリー”だから、これでいいのかもしれませんが(笑)。

 そんな中でも、「フランケン・キャット」ダグ・アリン(山本光伸訳)が面白かった。それから「賄賂」キャロリン・ウィート(山本やよい訳)は、猫にメロメロな人たちが面白い。私も危うくメロメロになりそうだったもん(笑)。いや、なってもいいんだけど、その後が怖いから、ねえ。