「富豪刑事」ISBN:4101171165

 ドラマを見る前に読んでおきたいと思っていたのに、ドラマが始まってしまいました。といいつつ、まだ見られてないんですけどね。

 先にドラマを見てもいいと思ったんです。でも、やっぱり主人公が男から女に変わっている、というだけで、なんか幻滅(笑)。いや。これは先に原作を読んでおかないと、と思いました。原作の面白さを分かった上で、ドラマを見た方がいいんじゃないかと。基本的に原作先読み派ですしね。

 主人公の富豪刑事、名前を神戸大介といいます。キャデラックを乗り回し、ハバナから直接取り寄せた1本8,500円の葉巻を惜しげもなく灰皿でもみ消し、10万円のライターを常に置き忘れ、いつも着けている250万円のロレックスの腕時計は、持っている中では一番安いのだとか。そんな浮世離れした大介ですが、なんというか、ストーリーの中では全く浮いていないのに驚きました。金銭感覚は尋常ではありませんが、それ以外はいたって普通。どちらかというと、熱血刑事に近いくらい。

 最初、亜愛一郎と雰囲気がかぶってしまって、読み終わった今でも、大介と愛一郎の雰囲気はよく似ていると思ってます。でも、愛一郎はちょっと浮世離れしていたのに比べ、大介はちっかり地に足を付けている。金銭感覚は尋常ないし、お金の使い方も普通ではないけれども。そういうところが、とても好感が持てます。そして、それはそのまま作品の好感度へとつながりますし、なんといっても、作品は笑いどころがちりばめられていていい。俗に言うところの“小ネタ”ですか(言わん言わん)。いやはや。短編が4作収録されていたのですが、もっと続けてほしかったなあ。