9月29日〜10月5日分
『電子の星』石田衣良(文春文庫)
↑通勤のお供(読了)。
進歩したのか、後退したのか。そんな風に捉えるのではなく、単に“月日が経った”と思うのがいいのかな。いい感じに“成長”しているというか、“変化”しているというか。今まで内に向かっていたエネルギーと興味が、少しずつ外へも向きはじめた、という感じ。急激な時代の変化に合わせて変わっていく今の若者たちと、過去若者だった人たちの心を掴んで離さないのは、こういうところにその理由があるんじゃないかと思ったり。
『白戸修の事件簿』大倉崇裕(双葉文庫)
↑ベッドのお供(読了)。
連作短編なのですが、この主人公、カッコいいんだか、情けないんだか、とってもビミョーなところにいる(笑)。完璧な“巻き込まれ型”なのですが、最終的にはキッチリその事件に決着を付け、カッコいい台詞も残したりしているにもかかわらず、やっぱり“人がいい”だけなところが情けなくて好き(笑)。続き、あるのかなあ。
『猫丸先輩の推測』倉知淳(講談社文庫)
↑ベッドのお供(読了)。
解説で加納朋子が、「“推理”ではなく“推測”であるところが倉知さんらしくていい」というようなことを書いてましたが、まったくそのとおり。ここでいう“倉知さん”は=猫丸先輩のことですから。猫丸先輩というキャラクターはとても好きなのですが、収録されている話の半分は、違うところですでに読んでしまっていたのが、とっても残念。いや、それだけいい作品なのですが。
『ブラウン神父の童心』G・K・チェスタトン(創元推理文庫)
↑新通勤のお供。
初チェスタトン。当然、初ブラウン神父なのです。ちょっと古い言い回しなんかが気にかかりますが、そんなことは些細なこと。今まで、なんで読んでこなかったのかと思うほど、すんごい作品! ものすごく衝撃的だし、画期的だし、今読んでさえ古さを全く感じない。やー。ホントなんでこんなすごい作品を私は今まで読んでこなかったんでしょうね(^^;)。自分が信じられん(笑)。