『金魚屋古書店』

オンライン書店ビーケーワン:金魚屋古書店出納帳 上金魚屋古書店出納帳(上)
オンライン書店ビーケーワン:金魚屋古書店出納帳 下金魚屋古書店出納帳(下)
オンライン書店ビーケーワン:金魚屋古書店 1金魚屋古書店(1)
オンライン書店ビーケーワン:金魚屋古書店 2金魚屋古書店(2)

 漫画です。どこかでちらっとタイトルを見ただけだったのですが、ただもう、それだけでほしくなった作品(^-^)。

 「金魚屋古書店」は、漫画専門の古書店。ここにないものはない、といわれる伝説のお店です。

 何気ない日常に、ふと気付けば、いつも側にある漫画。ちょっと切なかったり、ちょっと恋しかったり、ちょっとじれったかったり…。そんな迷える登場人物たちと漫画の不思議な関係。そして、そこにちょっとだけ関わる「金魚屋古書店」。もう、みんな、愛おしくってたまりません。

 そんな中、“変人”の異名を持つのが美青年・斯波。斯波に限らず、誰もかれもが何がしか“変人”の兆しはあるのですがね(笑)。この斯波青年、「金魚屋」のダンジョンに棲んでいるのです。持ち主ですらその規模と在庫を把握しきれないという、これこそ伝説の地下倉庫(ダンジョン)。懐中電灯片手に、くら〜い階段を降りていくと、そこにはミスマッチというか、逆にマッチしている“茶の間”が出現。ここがセドリのトメさん&あゆちゃん、常連のキンコちゃんらの溜まり場でもあったりします。

 店長代理は、名物店長の孫娘・葉月。店長であるおじいちゃんが入院したため、急遽ピンチヒッターを務めているわけですが、若いくせにまた味のあるお嬢さんなのですよ。当初、漫画はそんなに好きではなかったこの店長代理。しかし、本を愛する気持ちと、漫画を愛する人たちを愛する気持ちは誰にも負けてないと思うのです。彼女がいて、「金魚屋」があるわけだし。彼女は決して「金魚屋」のおまけではないのだし。

 こんな愛すべき登場人物たちと、漫画を愛する通りすがりの人たちが繰り広げる、心温まるお話がいっぱい。漫画に詳しくなくても、楽しく読めます。

 漫画のことはあまり分からないのだけれども、これを本(ミステリー)に置き換えると、とても共感できる(笑)。喜国さんあたりに、「金魚屋」のミステリーバージョンを漫画で描いてもらいたいなあ。