鎌倉幕府は“いいくに”を作らないらしい。

 栃木県大田原市で、教育委員会が来年から市立中学校で使う教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」のものを採択したそうです。教科書問題というのはいろいろと根深いものがあって、ここで私の考えなんかも含めて書き連ねると、とてつもなく長くなってしまいそうなので(笑)、言いたいことをひと言だけ。

 どんな教科書を選ぶかは、大人にしか権限がないのが実情。しかし、いろんな意味で被害を受けるのは当の子供たちだということを考えているでしょうか。他の地域と教科書が違うことで、受験のときに困るのは子供です。子供の頃に習ったことは、“常識”として蓄積されます。教科書によって書いてある事実が違うとなると、大袈裟にいうと子供たちは自分のアンデンティティを見失うことになりかねません。しかも、どれも自分の意志で選んだことではないのに。

 一つ提案なんですけど、教科書を選ぶ際、子供の意見も取り入れてみてはいかがでしょうね。「写真やカラーイラストが多いからこれがいい」とか「表紙がかわいい」とか、そんな他愛のない意見がほとんどなのかもしれませんが(笑)、そこはちゃんと大人が説明してやればいいことで。それぞれが、どういう意図で作られたものなのか、どういう風に表記が違うのか。そして、子供たちにはどういうことを学びたいか、聞いてやればいいんです。そういったことを通して、勉強への取り組みも変わってくると思うんですけどね。

 当時の私だったら、何を言われても分からなかったかもしれませんが(笑)。でも、なんというか、基本的なことだけしっかり身に付けておけば、あとはどうにもでなる、というのもありますけどね(笑)。私、中学時代はテスト勉強をしたことがありませんでした(^^;)。授業の内容が分かっていれば、テストなんて復習ですから、敢えて勉強しなければいけないことはなかったのです。そういう習慣で3年間を過ごしてしまったので、高校に入ってからが大変でした。自習能力がない(笑)。何が分からないかが分からない…困りましたねえ。で、途中で投げちゃったんですけど(^^;)。

 そんな話は置いておいて。基本的なこと、例えば歴史でいえば、世界最古の文明は「世界4大文明(エジプト文明メソポタミア文明インダス文明黄河文明)」だったり、「いい国つくろう鎌倉幕府(1192年鎌倉幕府設立)」だったり、私たちの世代ではこれらはもう“絶対”だと思っているわけじゃないですか。ところが最近、それが間違っているというのです。

 聞きかじっただけなので、間違っていたら誰か指摘してくださいね。まず、「世界4大文明」の時代、すでに他に10以上の文明があったことが確認されているそうです。そして鎌倉幕府は、頼朝が日本国総地頭に任じられた1185年からその組織はできあがっていたことが分かっています。1192年は征夷大将軍に任命された年ですが、頼朝は3年で将軍の職を退いているにもかかわらず、“鎌倉幕府”は約140年続いたことになっていたりします。結果、世界4大文明もいい国つくろう鎌倉幕府も、“古い説”である、ということですね。そういうことを教科書に載せているって、どういうこと? 今までそれを信じてきた私の人生は? なんてそんな大袈裟なものではないですが(笑)。でも、正直ショックでした(^^;)。

 最近の教科書では、その辺の記述は新しいものに変えられていると聞きました。なので、親子で歴史の話をすると食い違ってしまうのだとか。親も再び勉強しなおさなければいけなくなってきてるのですね(笑)。

 ところで、親というものは、子供の教科書を読んだりするんでしょうか。私が親になったら、間違いなく読みますけどね。教科書というよりは、普通の読み物として(笑)。