「終戦のローレライ」

 ただいま4巻を読んでいるところです。今朝は電車が異様に混んでたんですけど、押されながらもわずかな隙で本を開いて(というより本の間に指を入れて)なんとか読んでました。自分がどんな体制になろうとも、読むことをやめられなかったのですよ。それほどにスゴイ。

 もうね、なんで自分が今こんなところにいろうだろう、と。なんで、あの中にいないんだろうって思うくらい。それが馬鹿げたことだとは重々承知してますよ(笑)。でも、彼らと一緒になって、読んで感動するだけじゃなくって、体ごと感動したいと切に思わせるモノがあるのですよ、あの中には。

 なんだろうなあ。戦争とか、戦争に関するあれやこれや(もうこの時点で分かってないのですが(笑))ってのは難しくて、ほかの作品なら読み飛ばすかとうに諦めているところなのですが、福井さんの作品に限っては、どんどん先を読みたくなる。文字を目で追ってちゃんと頭で理解する時間がもどかしくなるほど、早く先を知りたい。

 もう、すぐ物語にのめり込んでしまいます。苦手意識を持っていた戦争に関することなんかも、全部とまではいかなくても、ちゃんと理解できているし、まったく知らない潜水艦の中だってイメージできちゃう。“分かりやすい文章”というだけではないですよね、これは。

 じゃあ一体、何なんだろう。…ということを考える暇もなく、私はただ物語の世界に引っ張られるまま、読み進めていくだけなんですけどね(笑)。もう少しで終わるのですが、早く読み終わりたい反面、この物語が終わってしまうことが、無性に寂しい。