うどん屋さんにて。

 ランチタイム、思わず1人になったとき、私は迷わずセルフの讃岐うどん屋さんへ行きます。基本的にうどんが毎日続こうが、朝昼晩続けてうどんであろうが、そんなことはおかまいなし。というか、むしろ歓迎してしまう元香川県民ですから。幸い、会社の近くには2軒あるので、密かに交互に通っていたりします*1

 そして本日も、1人でセルフの讃岐うどん屋さんへ行ってきました。ちなみにメニューは「かけ(中)」に「ささみの天ぷら」「かぼちゃの天ぷら」計410円なり。安い(笑)。カウンターに腰掛けてうどんをすすっておりますと、隣に若いカップルが座って、何やら讃岐うどんについて話をしている模様。「おいしい」とか「やっぱり違うね」という声が聞こえると、心の中で「うんうん。そうでしょうとも」などと思っていたりするのですが、今回のこのカップル、東京にある讃岐うどん屋さんに詳しいらしく、「○○の冷たいうどんは最低だった」とか「××は○○よりましだよね」とかおっしゃる。私は東京のお店には詳しくないので、その辺は聞き流していたのですが、そのうち「やっぱり香川に行きたいよねー」という言葉が。「ええもう、ぜひ来てください。なんなら私がご案内しましょうか?」と、何度話しかけようかと思ったことか(笑)。

 ま、そんな節操ないことはしませんが。今でも静かに広がり続けてますね、讃岐うどんブーム。元香川県民として、「讃岐うどんが本物のうどんだ!」などとは言いません(言いたくもないし)。でも、「讃岐うどんっておいしいね」と言われると、自分がおいしいと思っている郷里の味を認めてもらったようで、やっぱり嬉しいです(^-^)。

 ちなみに、私が住んでいたところは中讃(ちゅうさん・香川県中部地区)で、県庁所在地である高松市を中心とした東讃(とうさん・同東部地区)とも、西讃(せいさん・同西部地区)とも、微妙に文化が違います。方言すらも違います。あんなに小さな県なのに*2(笑)。なので、意外と食文化も違ったりするんですよね。*3

 うどん一つとってみても同じことです。今でこそ讃岐うどんの代名詞的メニューとなっている「釜玉(かまたま)」。本来これは、とある1軒のお店(「山越」ですね)で出されていたメニューにしか過ぎません。これほどのブームになる前は、「山越」以外ではメニューに掲げられることはありませんでした(多分)。あと、「ぶっかけ」というメニューがありますが、これは東讃のメニューです。西讃・中讃のうどん屋では見たことがありませんでした。今は「釜玉」も「ぶっかけ」もどこでも見るようになりましたけどね。

 もう一つ。香川県には驚異の郷土料理がありますね。「白みそあん餅雑煮」です。“香川の郷土料理”というなら、白みそにあん餅を使うのが正しいのですが、うちでは白みその代わりに合わせ味噌(いつも味噌汁に使う味噌)を使ってました。とはいっても、実はあん餅雑煮を食べてたのは父だけなのですが(私は普通の餅)。でも、お正月用のお餅(丸餅です)として、普通にあん餅が売られているのも事実。あん餅というのは、普通の丸餅の中にあんこが入っているだけのものです。「あん餅雑煮」というのは九州などでもあるそうですね。そちらはおすまし風の醤油味だそうですが。…その組み合わせは想像ができない(と言えた立場ではないのですが(笑))。

 折りにつけ、こうやって郷里を思ってみるのも楽しいものです(周囲はもしかしたらいい迷惑かもしれませんが)。

*1:いや、別に毎回同じ店に行ってもいいんですけどね。メニューを変えればいいだけなので。もちろん、毎回同じでも全然OKなのです。

*2:大阪府関西国際空港ができて以来、香川県は日本一面積の小さい県です。

*3:東讃では「たにし」を食食べるとか、中讃・西讃の結婚式には「おいり」というお菓子が必ず付くとか、香川の郷土料理といわれている「まんばのけんちゃん」はほとんど東讃でしか食べられていないとか…どうでもいいことですが(笑)。